チタンについてもっと深掘りして学んでみよう!
このページではチタンについてのうんちくを解説していきますので、チタンのことを知りたい、又は学びたければ参考になるはずです。
それでははじめていきましょう。
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チタンってどんな金属?
チタンは正式名称で「チタニウム」という金属です。
元素記号は、「Ti」で色は銀灰色。主原料は、天然のチタン鉄鉱です。
一般的に工業用資源として使用されていて、軽量であり引っ張られる力に対して強靭なだけでなく、他にも高耐食性や非磁性に優れています。
又、高い『生体適合性』がある為、金属アレルギーがおきにくく医療用金属素材としても使用される事が多いです。
例えば人工関節やインプラントなどですね。
世間的にもアレルギーが起き難い素材として広く認知されています。
海水に対して高い耐性がありますので、ダイバーズウォッチとしても最適なのですよ。
ステンレスに対してどれ程軽いの?
ステンレスに比べて約60%程の軽さで、これはあらゆる金属の中でもかなり軽量な部類です。
だから大きくてゴツめの腕時計に、チタンは便利で軽量で長時間着けていても疲れにくいです。
強度はどれくらい強いの?
強度は、鉄の2倍の強さがありアルミの3倍でかなり強いです。
又、粘り気があり、しなりやすい金属ですのでセラミックの様に物理的衝撃では割れないです。
さらに海水に対してプラチナ並みの耐蝕性がありますので、何かと便利な金属といえます。
チタンのデメリットは?
表面部分の硬度には弱いという特性があり、一般的なチタン素材は、表面に傷が付きやすいです。
だから時計メーカーによっては、表面加工をして硬度を上げる工夫をしています。
その為に研磨磨きをしようとすると、その表面加工が剥がれてしまう可能性があるので基本は研磨不可です。
又、チタンは加工が難しい為、加工コストが高くステンレス素材の時計よりも割高です。
チタンの種類は?
チタンにはグレードがあり、純度の割合から割り振りされます。
グレード1 (JIS1種)
〜
グレード4( JIS4種)
まであります。
これが未加工チタンの場合です。
グレード1が最も柔らかいです。
そしてより強度を高めて、加工しやすくするために合金化したチタン素材は、グレード1よりも上に割り当てられています。
グレード5
〜
いわゆる「純チタン」ではなく「チタン合金」と呼ばれていて約20種近く種類があります。
以上のグレードの中でも腕時計に使われるチタンの種類は、純チタンの「グレード2」と、加工しやすいよう混ぜて合金化した「グレード5」の2種類が主に利用されています。
その中でも、高級時計に使用されるチタンは、合金製の「グレード5」がメインです。
これはポリッシュ仕上げ(鏡面仕上げ)が可能で、純チタンのような濃いグレーではなく、ステンレスの色合いに近い金属です。
ヴィッカース硬度は、300前後です。
名称「ピッカーズ硬度」(ヴィッカース硬度)
硬さを表す尺度の一つであり、押込み硬さの一種
ダイヤモンド 7140~15300
サファイアガラス 2300
強化ガラス 640
一般的なステンレスよりも少しだけ硬くて純チタンの約2倍の硬度です。
高級時計以外にも、航空宇宙や自動車産業界でも使用されています。
高級腕時計ではじめてグレード5を利用したのは、タグホイヤーの『キリウム Ti5』がはじまりです。
【グレード5チタンはチタンのデメリットを克服している!?】
グレード5チタンは、純チタンの色黒な色合いではなくステンレスに近いシルバーで、表面硬度も硬く、ポリッシュ(鏡面)加工ができて磨く事もできます。
だから腕時計用としては、最も優れた素材とされています。
ご参考までにそれぞれの金属との表面硬度のヴィッカース硬度比較をご提示しておきます。
純チタン ・・・ 110~155HV
グレード5 チタン・・・ 300HV
ステンレス ・・・ 200HV
セラミック ・・・ 1000~1200HV
サファイアガラス ・・・ 1800HV
単位“HV”はヴィッカース硬度
特殊なチタンもある!
他にも世の中には特殊なチタンもありますので、いくつかご紹介しますね。
タイタニット
チタンにエレクトロ・プラズマ酸化処理を施しています。
それにより硬度や摩擦係数、そして摩耗と腐食への耐久性が強化されています。
物理的衝撃に強く耐傷性にも優れていて、もともと航空業界や宇宙産業などで使用されていたものです。
使用ブランドはリシャール ミルとショパールです。
チタンアルミナイド
チタンとアルミニウムが一対一の比率で金属間化合したものです。
高温溶解炉で鋳造され、最高使用温度:1000℃という高い耐熱性が特徴です。
F1エンジンのバルブや航空機のエンジン部品などに採用されています。
一般的なチタンに比べてさらに軽量で硬いです。
表面の色は黒です。
使用ブランドは、IWCやリシャール ミルです。
チタンカーバイト
“炭化チタン”とも呼ばれるチタンと炭素の合金です。
ヴィッカース硬度は1450。(一般的なセラミック素材のヴィッカース硬度は1000~1200です。)
色は黒で、非常に加工が困難な素材です。
使用している時計ブランドは、リシャール ミルの一部のパーツです。
ガンマチタン
チタンとアルミニウムの合金で、とても軽く、表面硬度が硬いという特徴があります。
主に航空業界で使用される超軽量チタンです。
使用している時計ブランドはオメガで、「シーマスター アクアテラ “ウルトラライト”」です。
チタンセラミック
セラミックにチタンを融合した素材で「クロマティックカラー」と呼ばれる艶やかなグレーになります。
サファイアガラスに匹敵する高い硬度を持ち、さらに独特の光沢を持ちます。
主に使用している時計ブランドはシャネルです。
カーボンチタニウム
このチタンは、高級腕時計ブランド「ウブロ」の独特の素材です。
カーボンファイバーにチタニウムを混入させたもので、マーブル模様が特徴です。
カーボン素材が主になりますので、軽量であり見た目にも特徴があります。
セラタニウム
高級腕時計ブランドIWC独自のチタン素材です。
炉で焼成し、表面をセラミック化していて、軽さと堅牢性を持ちながら、セラミックと同様の硬度、耐傷性を実現しています。
「PVDコーティング」と呼ばれる加工を施していて、これは表面加工とは違い剥がれません。
セラミックとチタンのいいとこどりの金属になっています。
チタンについてうんちくのまとめ
それではここまで腕時計素材のひとつであるチタンについて解説してきましたが、お役に立てたでしょうか。
最後に内容を箇条書きにしてまとめて終わりにいたしますね。
▪️チタンとは?
・銀灰色の金属。
・主原料は、天然のチタン鉄鉱
・軽量であり引っ張られる力に対して強靭です。
・高耐食性や非磁性に優れています。
・高い『生体適合性』がある為、医療用金属素材としても使用される事が多い。
・ステンレスに比べて約60%程の軽さ。
・強度に関しては、鉄の2倍の強さ。
・【チタンデメリット】表面部分の硬度には弱い。
・研磨磨きをしようとすると、その表面加工が剥がれてしまう
・ステンレス素材の時計よりも価格が割高。
・チタンには、グレードがあります。
純度の割合から割り振りされます。
グレード1 (JIS1種)
〜
グレード4( JIS4種)
まであります。これが未加工チタンの場合です。
・合金化したチタン素材は、その上のグレードに割り当てられています。グレード5以上。
・高級時計に使用されるチタンは、合金製の「グレード5」がメイン
・グレード5チタンは、ポリッシュ仕上げ(鏡面仕上げ)が可能。ステンレスの色合いに近い金属。ヴィッカース硬度は、300前後です。
・表面硬度も硬く、ポリッシュ(鏡面)加工ができて磨く事もできる。
それではチタンについてのうんちくは、これで終わりとなります。
最後までありがとうございました。
あなたに素敵な腕時計ライフを!
ティーヒロでした!
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